楽器演奏や歌の日常的な練習、本番前の予行演習などを行うためのリハーサルスタジオ。気兼ねなく練習を行うためには遮音・防振対策が欠かせません。ここでは、快適な「リハーサルスタジオ」を実現するための防音工事について、工事内容や注意点をまとめました。
リハーサルスタジオでは、室内で出す音が近隣の迷惑にならないようにすること、良い音響を保つこと、そして、外部からの音が演奏を邪魔しないようにすることが大切です。ここでは、リハーサルスタジオの防音工事で注意したい、3つのポイントについてご紹介します。
一口にリハーサルスタジオと言っても、ホール付帯のオーケストラが入る大規模なものから、中・小編成のバンドや個人が練習できる中・小規模のものまでさまざまです。利便性の高いリハーサルスタジオにするためには、いくつかのリハーサルルームが併設されていてニーズに合わせて選べるようにする・楽器・機材を貸し出す・24時間営業・好アクセスなどさまざまなサービスが考えられます。
中でも重要なのは遮音・防音設計です。室内で出す音が隣接する部屋や近隣施設に迷惑にならないように、しっかりと対策を行いましょう。
音には、大きく分けて「空気伝搬音」と「固体伝搬音」の2種類があります。空気を介して耳に伝わるのが空気伝搬音で、振動が伝搬していくのが固体伝播音です。防音対策を行うためには、遮音材や吸音材などを適切に施工し、空気伝播音と固体伝播音を両方抑えることが必要です。
一方で、使用者が快適に演奏できる音響空間を保つことも忘れずに。極端に響きが少ない空間や、響きすぎて原音がわからないような部屋では、良好な音環境とは言えません。残響時間の調整を行い、音質を悪くする反射音をなくす対策も必要です。
どんなに防音対策がしっかり行われていても、動線が悪い・使い勝手が良くないリハーサルスタジオでは、アーティストに選んでもらえません。例えば、スピーカーの設置場所一つとっても音質は大きく変わります。防音対策は、機材レイアウトに配慮して行うことも大切。
遮音対策や防振対策にこだわりすぎると使いづらい空間になってしまうので、どのレベルまで追求するか、照準を定めて対策を行いましょう。
下記リンクでは、音響に特化した防音工事業者を選ぶ前に知っておきたい情報を紹介しています。ぜひご一読ください。
演奏ジャンルにもよりますが、リハーサルスタジオでは、最大130db程度の音が出るといわれています。130dbとは飛行機のジェットエンジン音レベルで、かなりの大音量です。ご近所に迷惑がかからない程度まで音を抑えるためには、壁と壁の間に空間(空気層)を設ける構法が有効です。この構法は、コンサートホールや劇場などの公共建築でも広く導入されています。その上で、吸音材や防音ボード・防音マット、防音ドアなどを用いて防音対策を行います。
下記リンクでは、壁、ドア、床などの工事箇所別で気をつけるべき防音工事のポイントをまとめています。ぜひご参考ください。
プロのミュージシャンから一般ユーザーまで、さまざまなアーティストが利用するリハーサルスタジオ。一般ユーザーが練習のために利用するスタジオ、コンサートホールでのライブ前のリハーサルなどに利用するスタジオ、ホール併設のリハーサルスタジオなど、それぞれのニーズに合わせた設計や音響調整が必要です。
大切なのは、知識と施工実績が豊富な専門業者に依頼すること。音響や楽器の鳴り方についての知識がない業者に依頼すると、思うような防音にならず、音響に満足できない可能性があります。出店エリアや家賃、スタジオの広さ、数、ロビーの広さなどを充分考慮して、適切な防音工事を行いましょう。
ここでは、音響レベルにこだわったリハーサルスタジオを設けるための「防音工事」情報を紹介しました。近隣への騒音対策だけでなく、室内で音を味わうための工事ができる業者を検討しましょう。当サイトでは、エリア別の業者情報や、楽器別・施工箇所別のポイントなど、「防音工事」に関するさまざまな情報を集約しています。下記リンクもご覧ください。